精度と安定性:FDR 3Dプリンティングで実現する次世代電気コネクター

WAGO|ケーススタディ

2日間

試作リードタイムの短縮

生産と後処理は約2日間で完了(従来手法では1~2週間かかる)

80 %

試作品でありながら、量産品に匹敵する品質水準

射出成形による量産品と比較して約80%の品質水準を達成し、機能試験および各種ラボ試験に合格

10~50個

試験実施ごとの生産数

機能試験およびラボ試験用に、10~50個の部品を一度の造形で再現性高く製造

卓越性の達成

高解像度3Dプリンティングで最先端の電気配線設計を実現
  • 従来は数週間かかっていた部品を、数日で納品
  • 最終製品とほとんど見分けがつかない高い品質
  • 最小限の後処理で効率化
  • ディテールの解像度は

    プロトタイプのラボテスト

電気がなければ、私たちの社会や経済はほとんど何も機能しない。住宅、工場、船舶、列車などの送電線は、私たちの時代のライフラインである。電子がエネルギーを運搬するためには、ケーブルを経由して適切な場所に到達しなければなりません。そのためには、東ヴェストファーレンにあるWAGO社のような信頼性の高い接続部品が必要です。カリフォルニアのIT拠点シリコンバレーにちなみ、同地のエレクトロニクスクラスターは「ターミナルバレー」とも呼ばれている。WAGOが証明しているように、その通りである:アディティブ・マニュファクチャリング(AM)の分野では、プロトタイプの製造に接続技術のプロトタイプ製造用の高解像度プロセス、いわゆるFDR(Fine Detail Resolution)を使用していますこのようにして、WAGOはPA 1101を使用したEOSFORMIGA P 110 FDR 新製品のスプリングクランプを非常に迅速かつ正確に試作することができました。

WAGOの3Dプリントジャンクションボックス|© EOS & WAGO
完全に機能する3Dプリント・ジャンクションボックス

"人間はモデルを必要としています。迅速に開発を進めるには、産業用3Dプリンティングは欠かせません。私たちにとっては、まさに主力となる技術です。通常の選択的レーザー焼結(SLS)も既に高い評価をしていましたが、FDRはその精巧さ、精度、そしてスピードの面で、さらに一段上のレベルへと引き上げてくれました。."

オラフ・ゾシュケ|WAGO GmbH & Co.KG

課題

2本の導線を接続することは、一見簡単に思えますが、実際には技術革新、機能性、安全性、品質のすべてにおいて高い水準が求められます。電気が流れるところには、当然ながら厳格な規制が適用されます。接続部は、実用面・技術面・法的観点のいずれにおいても、安全要件を満たさなければなりません。WAGO GmbH & Co.KGの試作品製造責任者であるOlaf Zoschke氏は、次のように説明します。「ケーブルは、負荷がかかった状態でも接点から抜け落ちてはなりません。また、接触部の形状や仕上がりも十分な品質を備えている必要があります。これが保証されていなければ、人身事故や物的損害につながる恐れがあります。」Zoschke氏はWAGOの試作部門を率いており、7名のチームとともに設計試作や機能試作、さらには各種試験用サンプルの製作を担当しています。これらは社内外のラボで機能試験と安全試験に合格しなければなりません。新製品はそのすべての検証をクリアするまで市場に投入されることはありません。

そのため、WAGOおよび市場パートナーが開発する製品に対しては、広範かつ頻繁に安全性試験が実施されています。克服すべき課題も少なくありません。住宅の配電設備や鉄道車両の制御盤など、配電スペースは年々限られてきています。同時に、製品開発・試験・市場投入にかけられる時間はますます短縮されています。Zoschke氏は次のように述べています。「スピードを実現するには、アディティブ・マニュファクチャリングは欠かせません。さらに、試作品は最終的なシリーズ製品にできるだけ近いものである必要があります。なぜなら、試験エンジニアだけでなく、専門小売店やその他のバイヤーにも納得してもらわなければならないからです。」

設置スペースを出来る限り抑えた新型ジャンクションボックスの開発において、特に難題となったのはケーブルのストレインリリーフ(引張緩和機構)の設計です。導体をソケットに挿入すると、確実に所定の位置で固定されなければなりません。これはクランプ機構によって実現され、かみ合う歯車構造によってロックされます。導体にかかる引張力は、その被膜部分で確実に受け止められなければならず、接点そのものに負荷がかかってはなりません。
さらに、限られたスペース要件を満たすため、固定用ロック機構部に設けられた歯車構造も可能な限り小型化する必要があります。同時に、関連する安全規格に適合するためには、高い強度と安定性も求められます。量産であれば、従来工法のコストを大量生産によって分散できるため、こうした要求仕様にも対応可能です。しかし、試作段階ではどうでしょうか?

正確かつ迅速

3Dプリンティングによって、WAGOは非常に短期間で完全に機能するジャンクションボックスを開発し、市場に投入することができました。

3Dプリントされたコネクター(左)と射出成形されたシリーズ部品(右)© EOS & WAGO
3Dプリントされたコネクター(左)は、射出成形された量産部品(右)と比べて約80%の品質レベルを実現しています。また、機能試験と実験室試験の両方に合格しています
ケーブルのストレインリリーフ部品|© EOS & WAGO
ケーブルの引張緩和機構の確実にかみ合うロック構造は、高い耐久性と信頼性を発揮します。引っ掛けると、爪と歯が導体を確実に固定します。

ソリューション

「開発の過程では、初期の試験や最適化に合わせて部品を改良していくのが当然です。この点において、AMには大きな利点があります。ただし、機能試験やラボ試験のためには、一定のロット数を確保する必要があります。具体的には10~50個程度で、当然ながらすべてが同一品質でなければなりません。例えば、微細な歯車形状に求められる精度は、最近まで実現できませんでした。FDRによって初めて、極めて精緻な部品を必要とする用途にも産業用3Dプリンティングの利点を活かせるようになりました。」とOlaf Zoschke氏は説明します。

FORMIGA P 110 FDRによる微細積層造形プロセスは、この用途の最適な選択肢です。部品が非常に小さいため、小型の造形チャンバーでも必要な数量を一度の造形で生産することが可能です。これにより、試作の他の部品との”タイミングの最適化”も実現できます。試作部品は、要件に応じて他のプロセスで製造されることもあり、その中にはより粗い造形に適した従来型の選択的レーザー焼結(SLS)も含まれます。Olaf Zoschke氏は次のように説明します。「例えば、大型の部品1には従来のSLSで充分ですが、小型の部品2にはFDRを使用しています。SLSはFDRよりも高速ですが部品サイズが小さいため、最終的な試作品はほぼ同じタイミングで入手できます」。

試作チームは、用途ごとにどの製造プロセスを採用するかを事前に決定します。プロセスや材料の選定は、後の使用目的を見据えたうえで、CAD設計の段階で行われます。最終的な判断基準は、求められる品質を必要な数量でいかに合理的に実現できるかという点です。こうしてOlaf Zoschke氏のチームは、各プロセスや材料の強みを的確に活かすことができます。「FDRは、精度、エッジのシャープさ、そして機能的な統合のばらんすがとれた最適解です。材料としてはPA1101が非常に適しています。より高精度な試作方法も存在しますが、たとえば機能統合の面では不十分な場合があります。一方、標準的なSLSはより高速ですが、精度ではFDRに及びません」と試作品部門の責任者は付け加えています。

結果

このように、高解像度でバランスの取れた3Dプリンティングプロセスにより、目標は達成されました。WAGOは、歯車とプレートの試作を希望する納期内に、求められる公差と数量で無事に製造することができました。その結果、耐久性の面でも量産品に劣らない部品が完成しました。製造から後処理までにかかった時間はわずか約2日間で、他の方法では1~2週間を要します。なお、後処理についても特筆すべき点があります。FDRによる高解像度の積層造形プロセスにより、部品に対する追加工は最小限で済みました。

Olaf Zoschke氏は次のように述べています。「FDRが導入される前から、EOS製品は常に高い品質を提供してくれました。後処理を施すことで、これまでも優れた結果を得てきましたが、FDRによって、その品質はさらに向上しました。試作段階であっても、最終的な量産品の約80%に相当する品質を実現しています。この成果は当社の製品開発担当者からも高い評価を得ています。」また、SLSにおける高解像度技術が優れているもう一つの理由は、後処理との相性にあります。従来のプロセスでは、表面の凹凸を化学的に平滑化が可能ですが、その結果、わずかな歪みが生じ、FDRによる造形ほどの精度は得られません。

このようにして、WAGOの部品は試験用サンプルとして必要な製品特性を備えることができました。繊細な固定用の爪と歯部は、求められる強度を確保しています。同時に、高い品質で製造されているため、確実にかみ合い、堅牢に固定されます。このロック機構により、導体に必要な保持力が生み出されます。さらに、社内外で実施された複数の試験によって、積層造形部品が試作段階で充分な耐久性を示せば、量産においても同様に耐久性を発揮することが確認されています。こうして革新的なFDRプロセスは、完全な機能統合を実現しながら、産業用3Dプリンティングの精度と生産速度をさらに向上させるという約束を果たしました。

「FDRが導入される前から、EOS製品は常に高い品質を提供してくれました。後処理を施すことで、これまでも優れた結果を得てきました。FDRによって、その品質はさらに向上しました。試作段階でも、最終的な量産品の約80%に相当する品質を実現しています。この成果は当社の製品開発担当者からも高い評価を得ています。」

オラフ・ゾシュケ|WAGO GmbH & Co.KG

EOS導入事例

EOSが30年にわたり取り組んできた
3Dプリンティング技術の活用事例をご紹介します

アルタスコプコのリベットデリバリーボウル|© EOS

3Dプリンターによる生産効率

ケーススタディ|アトラスコプコ

アトラスコプコは、社内でアディティブマニュファクチャリング(AM)を採用することで、柔軟性、スピード、効率に対する需要の高まりに対応し、大幅なコスト削減、廃棄物の削減、リードタイムの大幅な短縮を実現しました。

3Dプリンターで作られた群がるドローン

ケーススタディ|フェスト

BionicBeeドローンは小型・超軽量で、群れで自動飛行することができる。FDR技術により、フレーム重量は75%削減され、わずか3グラムとなった。

3Dプリントされたパルプモールドとパッケージング|© EOS

パルプ成形用3Dプリント繊維金型

導入事例|ペイラー・エンジニアリング

オーストリアのエンジニアリング・サービス・プロバイダーであるPayr社は、パルプ成形用のファイバーモールドの製造コストを、従来の方法に比べて少なくとも50%削減することに成功した。この開発により、3Dプリント金型は、少量またはバリアントをパッケージングするための実行可能な選択肢となった。